2021.4.13
朝日新聞の全国版にてご紹介いただきました。
記者の後藤さんには大変細やかな取材を重ねていただき、私たちの想いや冊子発行に至った経緯などたくさんのお話をさせていただきました。
お話をする中で、
ああ、こう思っていたから行動に移せたんだ!
あの時こんなふうに考えていたことが今実を結んだなあ、
など気づかされることがたくさんありました。
記事には載りませんでしたが、少しだけ私の話をさせてください。
娘を育てていける、大丈夫、と思えたきっかけはなんですか?
という質問に、自然と思い起こされたのが、当時、毎週のように片道1時間以上かけて
お見舞いに来てくれていた母の姿でした。
病院でふわふわと現実味のない毎日を過ごす中で、
毎週両手いっぱいに私の好きなものと栄養のあるものを抱えては、
心配しかなかっただろうにその胸の内は微塵を表さず、
ほとんど笑顔で病室の私と娘に面会し、
こちらが不安になるようなことは一切言わずに「じゃあまた来週ね」
と言って帰っていく母に、どれだか励まされたか。
当時、あまりにも自然なその母の愛を、私は無意識に受けていたのでした。
普通ならば、孫が生まれたのだから孫のことばかりをかまいそうなものなのに、
私の母は娘である私のことばかりを気にかけ、私の食事や部屋着を買い与えてくれました。
そんな母の姿を見て、
あ、この人の娘なんだから、きっと私は大丈夫。母親としてやっていける。
そんなふうに思ったのでした。
こんな大事なエピソードを、日々の中で忘れかけていたのですが、
後藤さんからの取材に答えるにつれ鮮明に思い出されたのでした。
後藤さん、ありがとうございました。
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